こんにちは。アウトドアライターのaimiです。
先日愛媛県の石鎚山に登ってきましたが、最も危険だったのが「鎖場」。
石鎚山には鎖場が多くありますが、なかでも山頂(三角点)に向かう鎖は大変混雑します。
理由は、この鎖だけはまき道がなく登りも下りも同じルートであることがあげられます。
交互通行ということ( 一一)
北アルプスの難易度が高い山の代表的な鎖場は、すれ違わないようにルートをとられている山が多いのですがなかには石鎚山のように1本で運用している山もあります。
この記事では、「登り・下りが同じ鎖の場合」とそうでない場合に分けて、快適に鎖場を通るためのマナーを書いていきます。
この記事を読んでほしい人
- 鎖が怖い人(※それでも通過できる前提)
- 登りたいけれど、下りの人がいっぱい来て声掛けできず、渋滞を起こしてしまう人
- ②の逆もしかり
鎖場通過、基本の13ルール
登山の世界では、鎖場を通過するとき基本の考え方があります。
- 登り優先
- 登り優先でも、場合によっては声掛けをして臨機応変に
- 鎖を通過する前に、どこに足を置き手を置くかをある程度見極めてから登り(下り)始めること
- 前の人がどう登っているかを観察すること(パクる。これ重要)
- ぜったい鎖を離さないこと
- 抜かす行為は✖
- 上にいる人が下の人を引っ張り上げるようなことはしないこと。上の人も危険です
- 前の人が鎖をつかんでいる間は、基本的に登り始めないこと
- 前の人が登って(下って)いる間は真下に入らない
- 焦らず、落ちついて登ること
- 待っている場所は、谷側は✖山側〇
- 待っているときはザックを道の反対側に向ける
- ヘルメット推奨
こちらのルールを踏まえて、見ていきましょう!
登り・下りがおなじ鎖の場合(交互通行)
石鎚山の場合、交互通行の鎖はただ1か所。
タイミングによっては20~30人待ち。
シーズン中の登山は要注意です。
なぜこんなに並んでしまうのかというと…
グループで来ている人はかたまりで移動する、「登り優先」を守っている人が多い、そもそもルールをわかっていなくてとりあえず並んでいる(山にはいろんなレベルのハイカーが存在します)
などいろいろな要因があるのですが…
今回の石鎚山の場合だと、こう分析しました。
実際こちらの鎖の待機場所は多くても6~7人程度で、これ以上たまると左側は切れおちて危ないな、という感じ。
私が20人の行列(登り側)に遭遇したのは下りだったのですが、さすがにこれ以上人がたまると危ないと感じたので
こちらの方のあと、進ませていただいていいですか?申し訳ないのですが
丁寧にお声掛けすると、登りの方も止まってくれて、後ろのほうまで伝えてくれました。
ありがたいですね。
実際、この1時間後に滑落があったというのでほんとうに鎖はナメてはいけない場所なんです!!
登り・下りがちがう鎖の場合
登り・下りが同じ鎖の場合に比べて、危険度は減りますが「鎖の基本ルール」は同じです。
ガスがわいて、進行方向がわかならくなり
登りだったのに下りの方向に歩いていた…( 一一)
なんて話はよく聞くのでマメに進路を確認して進みましょう。
もしも同じ鎖に登りと下りの人が同時にぶら下がっていたら?
怖すぎて想像もできません…
混んでもイライラせず、時間に余裕をもって山を歩いていきたいものですね。
まとめ:鎖場のルールと対処法さえわかれば怖くない!ステップアップ登山にもつながる
ここでいちどまとめましょう。
- 登り優先
- 登り優先でも、場合によっては声掛けをして臨機応変に
- 鎖を通過する前に、どこに足を置き手を置くかをある程度見極めてから登り(下り)始めること
- 前の人がどう登っているかを観察すること(パクる。これ重要)
- ぜったい鎖を離さないこと
- 抜かす行為は✖
- 上にいる人が下の人を引っ張り上げるようなことはしないこと。上の人も危険です
- 前の人が鎖をつかんでいる間は、基本的に登り始めないこと
- 前の人が登って(下って)いる間は真下に入らない
- 焦らず、落ちついて登ること
- 待っている場所は、谷側✖山側〇
- 待っているときはザックを道の反対側に向ける
- ヘルメット推奨
ステップアップするには、なが~い鎖、ハシゴは絶対にクリアしなければならない課題です。
行ける山も増えます、そしてもっともっと山が好きになれるはず。
ぜひ、これからも安全登山を楽しんでくださいね!
以上、『滑落事故多発!快適に鎖場を通るための13ルールと対処法』の記事をお送りしました。
ここまで書いておいて申し上げにくくもありますが、あまりにも人が多い場合は山頂に行かずに見送る勇気も必要です。
引き返せる場所限定にはなりますが…( 一一)
岩場通過のためのおすすめヘルメット・グローブ
ブラックダイヤモンド「ベクター」
私が愛用しているのはブラックダイヤモンドの「ベクター」というモデルです。
セールの時なら1万円しませんし、軽いので気軽にかぶることができます。
3年前に念願の「剱岳」に登頂した時もこれをかぶりました。
槍ヶ岳山荘ではレンタル(40個、1~2時間・穂先往復のみ/500円)をしていますが、ハイシーズンのときは出払ってしまう可能性も高いのでひとつ持っていると安心ですね。
ブラックダイヤモンド「ハーフフィンガーグローブ」
岩がゴツゴツしているから…とグローブをしたくなる気持ちも分かりますが、実はそれで「指先の感覚を鈍くしてしまう」という可能性も。
個人的には夏はグローブはしません(これは向き・不向きがあるので登山ショップなどで試してください)が、秋から冬・春先にかけては無雪期でも指がかじかむので薄目のものをしています。
鎖は外気よりも冷たいので、凍傷にも注意が必要です。
▼無雪期用▼
▼無雪期・寒いとき用▼
山岳保険の加入もしておこう
などの山岳保険もリーズナブルに入ることができるようになりました。
jROは年間3,000円~4,000円で民間ヘリの要請料金がカバーできます。
モンベルのほうは、入院・ケガもカバーすることができます。
登山をする場合は必ず入っておきましょう。
▼1日から入れる山岳保険▼
https://shikokunoyama.com/山岳保険/one-day-insurance-mountain/
▼年間契約の山岳保険▼
https://shikokunoyama.com/山岳保険/sangakuhoken-3dai-kaisya/
関連記事
【登りたい山=登れる山ではない】「登山グレーディング」と自分の体力の一致度を確かめる方法とは?
2019年10月、北アルプス「下の廊下」で滑落事故が多発。
遭難者の共通点を洗い出し、どうすれば事故が起こらないで済むのかについて考えてみました。