こんにちは、アウトドアライターのaimiです。
2023年10月、昨年に引き続き北海道を登山目的で訪問。
第1座目に選んだのが、羅臼岳です。
コースタイム10時間と、なかなか手ごわい山をトップバッターに持ってきました!
今回のコース
羅臼岳=クマ!クマに対する備えとは?
レクチャーを受けておこう
羅臼岳は、クマが頻出する知床半島の山。
時間があれば、前日に知床フィールドセンターでレクチャー(知床五湖散策料として500円)を受けるのも良いでしょう。
今回、登山前日に知床五湖を散策するついでに、レクチャーを受けさせていただきました。
クマは匂いに敏感なので、チャック付きの袋に入れるなどの対策が必要で、ここで実際に行動食を入れておきました。
※ウトロ側から向かうと、手前の知床自然センターでも知識をつけることができるようです。
熊スプレーの準備
羅臼岳はいかにもクマに鉢合わせしそうな、登山道の脇がすぐ茂み、というシーンも多数ありました。
熊スプレーは現地レンタルという手もありますが、連休など混雑時は数が確保されているかも心配ですよね。
本州でもクマは出ます‼継続的に登山される方なら、なるべく購入したほうがいいでしょう。
購入する場合は、”宿に送付して、帰りは自宅に佐川急便”というのがいちばんコストが掛からないです。ヤマト運輸・日本郵便はスプレーの送付は受け付けておりません
または、通販でのレンタル。
こちらなら現地に送付し、現地から送り返せるので、飛行機積載のことも気にしなくて良くて安心ですね。2泊3日3000円くらいからありますよ。
熊スプレーは飛行機積載不可です
登山用品レンタル「そらのした」が取り扱っていますよ。
他にも気をつけること
クマは相手が1人だと、弱者と感じて襲いかかってくる可能性が高まります。
そのため、音を出し、なるべく複数人で登ることを心がけましょう。
私はソロだったので、何人かが出発したのを見届けてから出発することにしていました。
結局最後尾とはなりましたが、同じペースの方と一緒になる部分もあり助かりました。
やむを得ず一人で登る場合でも、定期的に笛を鳴らす・手を叩く・ラジオなどを鳴らす…なども効果大。
【登山レポート】最後はほふく前進?試練の10時間、羅臼岳‼
当日朝、クリオネキャンプ場を出発
斜里町中心部にある「クリオネキャンプ場」を4時に出発。
こちらのキャンプ場、低価格なのに高規格…‼
テント泊でもキッチンが利用でき、お湯も電気ポットでわかすことができます!お陰で時間の節約になりました。
さらに今回はバンガロー泊だったので、テントも張る必要がなく、撤収がラクすぎる~!
ゴミもゴミ袋を購入すると捨てられます。
羅臼岳登山口からはクルマで1時間程かかりますが、近くにスーパーも有り、駅やバス停、温泉もある。
ぜひおすすめしたい、キャンプ場です。
今回は友人が一緒に登る予定でしたが、前日雨だったため、断念。
寂しいけれど、ここで別れです~(泣)
岩尾別温泉登山口にて、木下小屋ご主人とごあいさつ
登山口駐車場に着き、準備をしていると…
他にもご準備中の方が1名。
その方が出発するのを見計らってスタートしました。
結局、5時30分出発で最後尾。他にも10台くらいのクルマがあり。皆さんどんだけ早出だったのでしょう??
午後からは雨はふらずとも天気が悪くなるとのことでしたが、それを見越してでしょうか。それじゃ真っ暗でむしろ何かが出てきそうです…🐻
登山口では、登山者ノートに指名・住所を記名。木下小屋のご主人と少しの会話。
鹿が食事をしていたので、コメントしたくらいでしたが…
下山後、気づいたのですが、この会話が後に重要なカギを握ることに。
初めからかなりの急登!
やはりそこは羅臼岳。しっかり登らされますw
羅臼平まではオホーツク海、ピークが見える
水場にはトイレブースやフラットな場所がありましたので、休憩。それ以外はあまり休めるところがなかったように思います(泣)
ひたすら登っていきますが、平行移動のところが時々あるので、そこまできつくはありません。
羅臼平手前で激風!立っていられないので撤退を検討
羅臼平手前では、風が強すぎて立っていられない…引き返そうか20分ほど悩みます…。
すれ違ったのは百名山狙いのベテランの方。「8合目まで来てるのにもったいない」と。
「ここさえ乗り越えれば、風が受けにくい場所を通ることになる」と言われ、考え直し、再びピークを目指すことに。
「もったいない…確かになあ…」と思い、自分の足を信じてアタック!
ガシガシ登っていくと、さいごの岩場が出始めました。
乾いていてよかった!岩場をガシガシ登るが…
ラストは岩場。
手を使いながら登っていきます!せっかくここまで来たのですから、登頂したい!
雨だったら考えてしまうような岩も、今は降っていない…。
足もまだまだ元気ですからね。
登るしかないでしょ!
羅臼岳のピークはほふく前進!最後の10歩は慎重に
山頂直前ですれ違った方に「荷物は置いて、空身でピークに行くべき」といわれたので、荷物を全部おいて、山頂碑のところに向かいます。
これが大正解!なんとか登頂することができました。
写真も撮っていただき…。
山頂では何をすることもできないので、少し戻った岩のくぼみで、晴れを待ってみることに。
しかし、いっこうに晴れる気配はありません。
10分くらい待機したところで、岩場のある危険な箇所は降りてしまうことにします。
その後なら、風もわりと落ち着くので少し待機もできそうなので(先程より風がかなり落ち着いた)。
とはいえ、この時点では全然晴れる気配はありませんでした。
まさかの晴れ間が!登り返す同行者さん
午後から天候悪化の予報は外れ、8合目くらいでなんと天気が好転!
同行者さんは興奮のあまり頂上に登り返すとのこと。
私はそんな元気はないので、今いる岩場の上でゆっくり過ごすこととしました。
1人だとクマは怖いけど、開けた場所なら、とっさの動きにも反応できるであろうと信じて。
そこまで降りきってはいなかったので、国後島もはっきり見え…なんだか感動で涙が出てきてしまいました。
つかの間の紅葉絶景を堪能いたしましたよ。
風も強くて心も折れそうだったし、よけいに感極まってしまいますよね。
最後尾の私達しか見れなかった青空。
少しだけ、ゆっくり出発した優越感♪
木下小屋に下山後…パトカーがいる???
下りこそ事故が多いですし、クマの気配も気を使うということでゆっくりと下山。
やはり、登ったのにかなり時間がかかったので、下りも自然と時間がたってしまいます。
結局16時位になってしまいました。晴れ待ち待機含め、まるまる10時間。
登りごたえありましたね~!
同行者さんと労をねぎらいながら下山すると、木下小屋のすぐの場所にパトカーがいるではないですか???
10年以上にわたる登山歴の中で、まさか警察の事情聴取を受けることになろうとは…。。。
木下小屋のご主人に開口一番言われたのが、
ご主人:「あなたが最後尾でしょうか?聞きたかったんですけど、すれ違ったのに千葉県から来た人っていらっしゃいました?」
私:「いや~?外国籍の人が登っていっただけで、あとは皆さん下山されましたよ。それに全員と話していないし千葉から来たか、ってのはちょっとわからないですねえ」
そのあと、警察の方とも話しちょっとすると…わかったことが。
なんと、千葉から来た方って同行者さんのことだった!
よかった~!ご家族がGPS(YAMAPみまもり機能)が動かないから心配し、連絡してきたのだそうで。
何事もなくてよかったです…^^;
もちろん遠征登山では登山届の他、下山届も重要ですし。情報共有は気にしすぎるほどしたほうがいいなと感じた1日でした。
私も、夫には羅臼岳は危険な山だというのはかなり強調して前日に連絡を入れていたりしましたが、みまもり機能までは動かしていませんでしたので、見習わないといけないかなと思いました。
木下小屋のご主人は入山確認のために声掛けしている?
下山後、木下小屋のご主人は小屋閉め後にも関わらず、わざわざ外に出てご挨拶してくれていたとわかり、ありがたかったなあと…。
クマも多い山ですし、コースタイムも長め。安否確認はかなり重要ですからね。
なにはともあれ、何もなく安全に下山できてよかったです!
お疲れさまでした。
【まとめ】クマに会わなかったのはラッキーだったが、キツイ山には変わりない
羅臼岳は、やはりキツかった!
10時間以上の行動は遠征であまりすることもありませんし、日も短いので神経も使いました。
下山後30分くらいの♨宿を急遽取り、疲れを癒やすことにしたのですが、これが大正解!
そうしなかったらすぐに暗くなってしまったし、ひとりでの運転も危なかったなあと。
また、次に北海道の山を登るときもクマに会わなかったのはラッキーではない、出ると思って行動したいですね…。
実際、私が登った数日後、クマが登山道を塞いでいたという事例が多発しておりました。その待機時間も考慮し計画をねったほうがいいです
もし、北海道遠征をするならご家族への登山届の共有+熊スプレーはお忘れなく!
以上、『【北海道・遠征登山】クマはいた?試練の「羅臼岳」へ!』の記事をお送りしました。