こんにちは、アウトドアライターのaimiと申します。
登山シーズン真っただ中である7月中旬、このようなニュースを目にしました。
2019年の7月は梅雨明けしていないという事もあるのですが、台風の数も少ないのにかかわらずぐずつく天気・・・・( ゚Д゚)
こんな日は危険だし、登山に行くのをやめよう!
…とここまではわかるのですが、泊りがけの登山を予定していた方で「山小屋の宿泊キャンセル」を怠る人が多いのだというのです。
これは困りますね‥‥
なぜ困るのか?山小屋勤務経験のある私が回答していきますのでよかったらお付き合いください。
山小屋の宿泊キャンセル、ぜったい必要な3つの理由~山小屋勤務経験のある私が回答
①食材の準備に影響が出るから
山小屋は、2食を提供するところがほとんどです。
南アルプスの光小屋※のように一部・素泊まり専用としている小屋もありますが、日本にあるほとんどの営業小屋は朝食・夕食を出します。
ですので無断キャンセルしてしまうと、食材を処分することになりかねません。
処分するのにもヘリで降ろすための費用がかかります。※1時間拘束で60万円程度といわれています
厳しい環境の中の食材調達・ヘリの運行可否のきびしさを理解していれば「無断キャンセル」のようなことなんて絶対にできないと個人的には思うのですが、登山者が全員そのことを理解しているとは思えません。
全部理解してほしいとは申し上げませんが、頭の片隅にはおいておいてほしい事項です。
②遭難と間違える可能性があるから
私の働いていた小屋でも「予約していた10人グループが日暮れ後にやっと到着する」という件がありました。
20時くらいでしたでしょうか。当初の予定よりも大幅に遅れての到着、オーナーが叱責。
そのグループは予約時にもひともめしたらしく(後で聞きました)、おすすめしないルートで小屋にやってきました。
脚力・人数のことを踏まえると、この選択はまちがっていたといえるでしょう。
日暮れ後の歩行は、極めて危険&神経をすり減らします。
特別な事情がない限りやめましょう!
③一部の心無い人の損失を、宿泊者からもらうお金でまかなうのは心苦しいから
山小屋の一般的な宿泊料金は10,000円。
その内訳は小屋にもよりますが、だいたいは
- 朝食 1,000円
- 夕食 2,000円
- 素泊まり料金 5,000円〜6,000円
- ほか施設使用料金(トイレ・水場など)
となっています。
いただく費用順では、2食付けた方がいちばんの上客さん、その次に素泊まり、テント泊のお客さんとなるわけなんですが…。
もちろん、お客さんを区別することはありません!
が、もしも無断キャンセルが起きた場合、いただけるお金はありません。
その分は基本、宿泊客にいただく費用からまかなわれます。
- 満室で断っていた時、大人数のキャンセルがあったら…?
- キャンセル料は基本もらっていない
- 天候が安定しない山の天気。商売をするのはただでさえ厳しい
- 通年営業ではない小屋がほとんどのため、稼ぎ時はほんとうに短い
これが続くと、山小屋の損失は相当なものになります。
こんな厳しい状況ですから、後継者不足で閉鎖せざるを得ない小屋も出てきているんですよ‥!
最近では、それを防止するように「キャンセル料をもらいます」と掲げる山小屋も出てきました。
登山をする以上、最低限のマナーを守って山小屋を利用していきましょう!
山を長く続けていきたい、そういう気持ちがあるのならなおさら!
まとめ:キャンセルは仕方がないこと。キャンセル料は基本かからないので絶対に連絡しよう!
ここでいちどまとめましょう。
①食材の準備に影響が出るから
②遭難と間違える可能性があるから
③一部の心無い人の損失を、宿泊者からもらうお金でまかなうのは心苦しいから
①~③すべてひとつでも想像がつかないというのなら、個人的には「小屋泊りの山行に行く資格はない」とさえ思います。
これから山小屋デビューしたいという方の目に泊まっていただければ幸いです<m(__)m>
ルールを守って利用しましょうね!
きびしいことを書いてはしまいましたが、コーヒー飲むだけでも気軽に立ち寄ってくださいね♡山小屋は良いところですよ~♪
以上、『山小屋の宿泊キャンセルはぜったい必要な3つの理由~山小屋勤務経験のある私が回答』の記事をお送りしました。