こんにちは!aimiです。
先日、「四国最難関」・「四国の北アルプス」といわれる、石立山(いしだてやま)に登ってきました。
石立山は剣山国定公園内にはありますが、縦走路から少し離れているのにかかわらず、1,707mと標高があるので、何の障害物もなく「剣山連峰」が一望できる山になっています。
「四国の北アルプス」といわれる理由
- とにかくガレている(崩れやすい&もろい岩だらけ)
- 危険箇所にロープやはしごがあまりない
- 浮石が激しい
- 登山道内にやせ尾根がある
- 足を踏み外したら終わり、という箇所がいっぱい!
- 往復8時間(休憩込み)
- 迷いやすい
- 落石がある覚悟でヘルメットは必須
という理由で四国の日帰りの山としては最難関とされています。
私はソロで登りましたが、突如遠くで岩が崩れる音がしたりと恐ろしい山でした。たぶん鹿がいたんだと思います・・・・。
今回のコース
別府峡登山口(高知県香美市側)→竜頭谷→ビャクシンの生える岩場(やせ尾根)→西峰→石立山山頂→避難小屋(使用不可)→日和田分岐→日和田登山口(徳島県那珂町側)コースタイム1時間の休憩込みで約8時間
高知県側から入山し、徳島県側に下りるという計画にしました。
理由としては、別府峡側からのほうがガレ場が多く、過去には滑落死亡事故も起きていて、「下りに使うのはかなり危険」という情報を得ていましたので事前に徳島県側に自転車をデポし、高知県側の別府峡に車を回しました。
別府峡(べふきょう)登山口
別府峡(べふきょう)は大分県の別府(べっぷ)と縁があるのだそう。
詳しいことは調べてもわからなかったのですが、こちら高知県では「べふ峡温泉」と区別してひらがな表記されている場合があります。温泉のホームページでは検索の際に間違えられたら困りますもんね!
さて、本題の登山口についてですが、「べふ峡温泉」ではなく「もみじ茶屋」(紅葉期のみオープンの茶屋)の隣の駐車場に車を停めましょう。お手洗いの建物が目印です。下記のマップをご参考ください。
その際「石立山登山者は奥に駐車してください」との看板もあるので、観光客の迷惑にならないよう奥側に停める配慮をしたほうがいいですね!
別府峡登山口(高知県香美市側)→竜頭谷
のっけから倒木だらけ!
実は2017年秋は台風が2つ来まして、そのうち、台風21号の強風の影響でかなりの木が倒れたとニュースで聞いていました。
【参考記事】
大きな木をあっけなくなぎ倒してしまう台風の恐怖を目の当たりにしながら、何とかまたいで乗り越えていきます。結構な時間のロス・・・。
いま思えば、登山道をふさいでしまうような倒木は登山口付近だけで、その後はほとんどありませんでした。樹林帯に入ると、風が一本一本の木に分散されてそこまでの威力にならなかったのかもしれませんね。
ただ登山道ははじめから容赦がないほどあまりにも急なもので、休み休み登っていきます。いきなり息が上がりまくり、寒かったはずの早朝、結構薄着で登ってましたねwこの山は夏登るのは大変厳しいと思われます。
百間滝との分岐を過ぎ、少し下り貴重になります(せっかく登ったのに・・・)。こちらの分岐、一応看板がありますが下りの際は見落としそうな場所でした。
竜頭谷に到着すると、とってもきれいな紅葉が出迎えてくれました。まさに見ごろ。
そして汗だくになったのもあって、沢沿いは一気に気温が下がりちょうどよい!
石立山に登らなくても、ここで引き返すのもアリかもというくらいすばらしい紅葉でした。
なぜなら光の当たり具合でめちゃくちゃ鮮やか。水もきれい。しかも観光客が気軽に来れる遊歩道ではないので誰も来ません。
ここから先が岩だらけ、危険箇所多発。
休憩してまったりしていたら、多少帰りたくなったのは言うまでもありません。しかし私は進みます!
竜頭谷→ビャクシンの生える岩場(やせ尾根)→西峰
来ました、やせ尾根!こういう危険な感じの岩場は最近では石鎚山以来です。
しかもガレているので、つかんだ岩が動くというのも多かったです。一歩一歩確実にして進みましょう。
同じようにして、つかんだ枝・木の根も信用なりません。きちんと根元から生えている木なのか?確認してつかむように!
全体を通してもこのあたりが一番危険だったと思います。
やせているのにかかわらず、ロープもないので、自分の手と足だけが頼りです。
気をつけていても落石は多発箇所なので、複数人で登る場合は間を空けないと、まともに石や岩を食らってしまいます、注意しましょう。
やがて、西峰に這い上がってくるとフラットに。久しぶりの平らな場所で休憩にします。
目の前に移る岩岩の峰が、捨身獄(すてみごく)。いけるようですが、生きて帰れる気がしないので見るにとどめておきます。
日影に霜が降りています。
というのも、この日2017/11/12は剣山に早朝に霧氷が出るほど冷え込んだのだそうで、お昼には溶けてしまってはいましたが、なかなかの絶景だったそう!
西峰→石立山山頂
ここから山頂までは鹿の食害を受けているという、荒涼とした枯木の多数ある稜線を歩くだけになります。危険箇所もなくとても平和なのですが、景色は痛々しい。
山頂に着くと、一人のおじいさんに会いました。あまりに軽装だったため驚き、声をかけさせていただきました。
徳島県側の日和田からだそうで、この山に何度も登られているということ。今思えば軽装だったのは、慣れていらっしゃったからだったんですね。
その際、「めっきり何も生えなくなってしもうて、もうあのころの山には戻らないんだろうな」と語ってくれました。そして痛々しい山頂の様子を眺めてさっと下山していかれました。
NPO法人「三嶺の自然を守る会」では、鹿の食害調査やこれ以上食害が進まないように数々の活動をされています。こちらでも何箇所か食害防止ネットを見かけることができました。
南国市に住んでいたときは市役所からバスが出てこの活動に参加するボランティアの募集もありました。お近くの方は参加されると現状がわかるかもしれませんね!
石立山山頂→避難小屋(使用不可)→日和田分岐→日和田登山口(徳島県那珂町側)
山頂を後にし、下山ルートの日和田に向けて出発します。
この日はなかなかの快晴。下界を見ながら下りれるのは気持ちがいいですね!格段に別府峡ルートより歩きやすいです。別府峡ルートはそもそも周りを見れる余裕なんてなかったですので・・・
しかしここを登ってくるとしても、相当きつい急な登りになります。足もとは多少はいいですが、ガレ場がないわけではないので注意は必要ですね。
下山は3時間はかからないようにコースタイムが設定されています。私はゆっくり歩いて2時間半。時間に余裕を持った計画でのぞみましょう。足に疲れが来ているので余計に、ですね。
最後、この下山口の「高松軽登山(会)?」の表示にモヤッとしますが・・・・「決して軽登山」の山ではないですのでご注意を!
さらに最後の業務、5km弱のサイクリングです。
デポした自転車で四つ足峠トンネルを越え、別府峡の第一駐車場に戻りました。ほぼ漕がなくてよいので楽ですね。トンネル内は暗めですのでライトはお忘れなく。
お疲れ様でした!あ~疲れた・・・・
まとめ:四国最難関の山「石立山」はそう甘くはなかった!
この記事を書いている石立山登山の2日後。今でも多少筋肉痛が残っています。
さすがに、「行こう!」という気合がないと登れませんね。生半可な気持ちでは行かないほうが良いです。後悔します。
事前準備として
- 3点支持&クライミングの知識
- 8時間歩き続けられる体力・精神力
- 簡易的なビバーク装備
- あきらめる勇気
- ヘルメット装備
くらいは普段の日帰り登山にプラスして持っていたほうが良いですね。
私は今回、ツエルト(簡易テント)と大目の食料・水を持参しました。特に11月ともなると日も短いのでトラブルにあうことも考慮したほうが良いです。
ちなみに、私は「ビバーク」は遭難ではないと捉えています。あくまで夜歩くのは危険なので「そこにとどまる」という選択をしただけのこと。日が暮れて、怪我をしたなどではなく、自力下山できるのであれば安易に通報するのは控えたいからです。
登山のベースキャンプにも!別府峡温泉のアクセス
ここでは前泊・ベースキャンプにもオススメの別府峡温泉のアクセスを載せておきます。
往復8時間の行程ですから、早朝からの行動は確実になります。したがって前の日の午後にきてゆっくりされても良いですね。夕食にはジビエ料理も出るのにリーズナブル!都会の喧騒から離れてしっぽりと温泉などいかがですか?
【住所】高知県香美市物部町別府452-8
【電話】0887-58-4181
【駐車場】無料
【今回の行動記録】
以上、「四国の北アルプス!ザレ・岩・急登地獄!石立山【徳島県那珂町/高知県香美市】への記事をお送りしました。