こんにちは!高知県在住アウトドアライターのaimiです。
先日、3年越しの悲願・厳冬期石鎚山登頂!
ということで、レポートを書いていきます。
2021年1月は、前回2018年2月に登った時よりも積雪量が多く、寒さも本格的になってきたので雪もしまっていると安心して向かいましたが、それでも危険なことは危険で…
「厳冬期石鎚山、わたしも狙ってるよ!」という方の参考になれば幸いです。
石鎚山への雪山装備についての記事はこちら!
【行く前に必ず】厳冬期石鎚山に登る前にチェックすべきこと
厳冬期の石鎚山は、絶対になめてはいけません。
石鎚山は四国随一と言ってもいい”ゴツゴツした岩の山”であり、一般登山道といえどもと〜〜っても危険です。
夏に登ったことがある方ならすぐにお分かりになると思うのですが、滑落事故も多い!!
かくいう私も何度も救急車・消防車を見ています。
救助するにも岩場なので、ヘリをつけるのがなかなか難しい場所でもあります。
基本地上からが多いのではないでしょうか。
(記憶によると、遭難の内容にもよるのでしょうが地上救助の方が多い印象です)
私が確認したヘリの救助は、秋の登山混雑期というのもありかなり難航されてたのを覚えています。
平らな場所はほぼないので…_φ( ̄ー ̄ )
いっぽう地上救助=麓の消防署からになるので、これもすぐとはいきません。
最短でも40分くらいはかかってたと思います!
…と前置きは長くなりましたが、まとめます。
- 瀬戸内海側の天気(冬は一般的に日本海側の影響を受ける北側から天気が悪くなる傾向。太平洋側よりも松山側の天気予報を見よう)
- 石鎚ロープウエー駐車場までの積雪状況
- YAMAP・ヤマレコなどで最新の登山道の状況を確認
特に登山道の状況は
- トレースなしですと時間がすごくかかる
- アイスバーンの場合、通過不可。ロープを出すか撤退も前提に
- 階段埋まってしまってる場合、ルートファイディングも必要
気温が高くなると「溶けて凍る」を何度も繰り返しデンジャラスゾーンに。
3年前の撤退は身動き取れない状態であっさり決まりましたから(苦笑)
悔しいという気持ちもわかないほど危険でしたからね…
さらには、記録にも書きましたが”遭難者”も出た日。
注意はしすぎるくらいがちょうどいいのです。
【厳冬期石鎚山・行程】日帰りなら”ロープウエー成就ルート”のみ
ロープウエー2便に乗車(9時)→成就→夜明峠→二の鎖小屋→石鎚山登頂(弥山のみ)→来た道を戻る→ロープウエー最終便までに戻る <歩行時間7時間・休憩1時間>
9割の人は日帰りで歩く石鎚山。
これは冬でも同じです。
ただひとつだけ注意しなければならないのは「ロープウエーの運行時間」です。
季節がら始発がおそく、最終も早いので要注意ですよ。
私は最終便になり反省…でしたが、余裕を持って行動することがだいじ!(つぎ気をつけます)
<石鎚ロープウエー運行時間・毎時間20分おき>
1月2日~ 4月30日(冬〜春季) 全日8:40 ~ 17:00の運行となっています。
冬はゆっくり歩けないのです!
【3年ごしの悲願!レポート】厳冬期・石鎚山の登頂成功!モフモフ新雪を歩いてきたよ
登山者よりもスノボ勢優勢!乗り遅れて2便にてスタート
ここからは当日の様子をレポートしていきます!
2021年1月中旬、ふもと(ロープウエー山麓駅)は快晴。
途中、黒瀬ダム付近から見る石鎚山は神々しくて♪
今日の行程を想像してくるだけでワクワクが止まらないわけなのですが、この後絶望することになろうとは…汗
平日なので駐車場もガラガラです。
選びたい放題ですよ!
準備していたら1便(8:40)が行ってしまった…
そして車内は「石鎚スキー場」に向かうスノボやスキーの方々がほとんど。
今年は雪が多いから楽しいでしょうね٩( ᐛ )و
気を取り直し、しゅっぱーつ!
山頂成就駅はドン曇り…あきらめモードで夜明峠へ
山頂駅を降りると、想像とは違う景色が広がってました。
1時間前の快晴はどこへ…?
ふもとの黒瀬ダムではキラキラ輝いてた山頂付近は真っ白になってしまいました。
駅のベンチで12本爪アイゼンに履き替え。
いきなり滑りこけているスノボ客さんがいらっしゃいましたのでご注意を!
夜明峠から先、風が強まり天気が悪くなるいっぽう
結構な大粒な雪が顔を叩きつけてくるのでバラクラバで完全防備!
あとは冬用アウターのフードが活躍しますね。
幸い、湿雪じゃないので濡れません。
ただ寒いですけどね!!!!(寒いの大っ嫌いな私w)
アウターに着く雪の結晶がキレイでした。
この時点でもすでにマイナス5度くらいになってたんじゃないでしょうか。
持っていたアクエリアスの飲み口が凍り飲めなくなりました。
撤退を迷っていたタイミング…「二の鎖小屋」で奇跡の晴れ間が!
テンションだだ下がりのまま「二の鎖小屋」に到着。
すでにお昼も回っていたし、帰ろうかどうか迷っていたら青空が出てきているではありませんか???
すごい!!あきらめていたのに!!
カップラーメンを流し込んで、荷物を置いて山頂に行くことにします。
山頂までは笑顔の登山者とすれ違い
山頂に一番いい時にいれたのは第1便の方々。
そして私を追い抜いていった第3便の方…
すれ違い時はもちろん笑顔。
寒いけどサイコーだったそう!
私が頂に着いた時は残念ながら…すでにガスがかかり始めた頃でした。
ほんの1時間弱くらいしかクリアに晴れてませんでした((((;゚Д゚)))))))
これだから石鎚山は…
石鎚山・弥山登頂!貸切で一面霧氷の天狗岳をのぞむ
途中、階段でアイゼンの爪が取れなくなるハプニングもありましたが…(汗)
すれ違った方に取りかたを教えてもらい無事に到着。
階段のワイヤーにギザギザの歯がしっかり食い込むので、どうやっても取れなかったんですが。
はじめから足を左右に振れば良かったんですね!
帰路で恐ろしすぎるハプニング!一の鎖を降りるハメに
山頂に別れを告げ、二の鎖小屋で荷物を回収しお茶で一息ついたら下山です。
降りるときこそ緊張する場所が何箇所かありました。
特に階段はずっと気が抜けませんでしたし、休まりません…
しかも冬靴は重いですから、足も疲れが出てきます。
気をつけながら下山。
下ばかり向いていたせいか、看板をひとつ見逃していたようです。
目の前に一の鎖が出てきたときは、かな〜〜り焦りました。
鎖は下山路には使われていないので、間違えていますが登り返すにもムリそうな(鎖だしそりゃそうか)急斜面でしたので、止むを得ず降りることに…
平日でしたので幸い、人がいませんでしたので一歩一歩慎重に。
こ・こわすぎる…登りの方の足場があって助かりました。
無雪期だって、この鎖はスルーするくらいなのに(苦笑)
上部は垂直の壁みたいになってて、生きてる気がしませんでしたよ。
ピッケル刺しつつ確保しながら降りたのでめっちゃ時間かかりました。
雪遊びと下山に時間がかかり、ロープウエー最終便に飛び乗り
山頂で一緒だった方と歩いていたのですが、緊張する場面が結構あり思いの外時間がかかりました。
”そろそろ時間がやばそうだ”ということでペースを上げることに。
ロープウエー駅手前はアイスバーンなのでアイゼンは取らないでおいたわけですが、これがまた歩きにくい!でも仕方ない_φ( ̄ー ̄ )
同行者さんはアイゼンを取ってしまったようで、かなり苦戦してました。
絶対に取らない方がいいです!!!
こけます!!大怪我します!!
ペースを上げて、わりと余裕を持って最終便に間に合いました。
ある意味、核心部は最後だったかもしれませんね。
お疲れ様でした〜〜!
まとめ:厳冬期石鎚山はご機嫌ナナメでしたが、青空が見えてHappyな1日でした
3年前に撤退した先は、私にとって初めての景色となりました。
青空が出ていたのはたったの2時間程度でしたが、これがなかったらまたリベンジに来ていたと思うので(汗)…
本気で帰ろうと思っていたしw
とにもかくにも満足いく景色が見れてよかったですね。
四国では12本爪アイゼンを使う機会はほとんど無いですが、石鎚山だけは必須。
他の山で慣らしをしておいてもよかったかもしれません。でも(とはいえ予想通り)する機会がなく当日を迎えてしまいました…。
剣山あたりもこの寒波で使うことにはなってそうですけど、土日でかなり入山者がいましたしトレースはバッチリでしょう。そしてすぐあたたかくなる→必要なくなるのパターン。
次の12本アイゼンを使う機会はでてくるのか?乞うご期待です^ – ^
以上、「【3年ごしの悲願】厳冬期・石鎚山の登頂成功!モフモフ新雪を歩いてきたよ」の記事をお送りしました。
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