こんにちは、アウトドアライターのaimiです。
2020年春は新型コロナウィルスの影響で、登山の世界にも自粛要請が来ており…
「山小屋にとっての自粛要請=三密を避けられないから営業断念」の意味をさし、日本全国ほぼ全ての山小屋が営業を取りやめています。
季節も良い時期だけあって、その残念さははかり知れません。
私自身もこの時期にいつも計画していた宿泊登山(テント泊)、断念せざるを得なくなりました。
個人的にもアルバイト経験もあるし山小屋にはかなりの思い入れがあり、「登山=山小屋」といっても過言ではないと思っていますしね…
山小屋がもしなくなったら?そんなこと考えたくもありませんが、間違いなく私の楽しみは半減・もしくはなくなってしまいます。
その理由を考えてみました。
山小屋がなくなったら…私の登山の楽しみがなくなる8つの理由
長期縦走が不可になる
2019年9月末には北アルプス立山の山々を3泊4日縦走しました。
- やはり、遠征はゆっくり山小屋を泊まり歩きたい!
- 慌ただしく歩くのは好きではない!
- 出会った方との会話も楽しみたい!
山での「よくばり」を叶えてくれるのが山小屋を使った縦走です。
・天気が悪いので停滞日をもうける
そんな贅沢な使い方に役立ってくれるのが、山小屋の存在。
私のような体力のあまりない登山者でも、なんだかんだでシーズンごとにアルプスに行けています。
ほんと助かりますよ。
SNSで発信してくれる山小屋も多くなってきて、山のことがすごく身近に感じますし。
それができなくなる…ということは、山の深部にはゆっくり入れないということを指します。
お手洗い・水場の問題を払拭できず、コースのバリエーションが少なくなる
とくに夏は、水の心配をして歩く方も多いと思います。
汗ダラダラで歩くなんてこともザラ!
私も尋常じゃなくお水を飲むので、水場の存在は必須。
長期縦走ですとすべての水を持ち運ぶ訳にもいきません。
水は、持ち物の中で一番重いとされているものです。
水場のあるルートならいいですが、水場なしで1日中歩くルートなんてのもありますからね。
これにより、ほとんどの長いルートが現実的ではなくなってきます。
冷えたビールを買えなくなる
私は山を登る行為自体は、そんなに好きじゃないんです。(今カミングアウトすることではなかったか…?)
その先にある楽しみ=ビールが楽しみだったりします。
ぶっちゃけ、そういう方って多いんじゃないでしょうか?
ビールってお酒のなかでも重いし、冷えてないと美味しくないしねえ…現地調達派が多いと見た!
食事を取れなくなる
軽量化を目的に、山小屋の食事頼りでテント泊して行く方も多くいます。
または、名物のランチメニューを求めて歩く?
- 鍋割山荘の「鍋焼きうどん」
- 赤岳鉱泉の「カレー」「ステーキ」
- 燕山荘の「ケーキバイキング」
ときには北アルプスの秘境「朝日小屋」のような、豪華な夕食目当てに歩くのもアリ。
朝日小屋から伸びる「栂海新道」はテント泊装備必須の超ロングルートなため、補給は大事だったりしますよ!
いつか歩いてみたい憧れのルート!
そんな貴重な山小屋の食事が取れなくなったとしたら…?
日本にある、ほとんどのロングルートの計画が立てられなくなってしまうでしょう。
星空や朝焼けを堪能する楽しみも減る(できるとしたらテント泊のみ)
小屋に泊まると、日帰り登山ではできない体験がカンタンにできちゃったりします。
いわゆる「マジックアワー」のひとときを贅沢な環境で堪能できるのですよ〜♪
コーヒー飲みながら?ビール片手に?
この記事でも書きましたが、
- 夏の早朝→涼しく、さわやかな朝焼けをみることができます。湿度があるので、雲海や霧の中の夕焼けも幻想的
- 冬の朝→多少寝坊しても素敵な朝焼けがみれる。空気の澄んだ夕焼けも拝める
ということで、いいことづくめ!
早起きは一文の得でございます♪
その楽しみがなくなるのは、とっても悲しいこと。
テント泊サイト(野営場)の管理もされず、荒れる可能性も
山のテントサイトというのは、山小屋の隣にあることがほとんど。
その理由はトイレや水場を共有するためにあるんですね。
管理をされる方がいらっしゃらない=荒れ果ててしまう可能性も。
そうなったら携帯トイレ持参は標準になるのでしょうね。
以前「山小屋でも泥棒がいる時代になった」という記事を書かせていただきましたが、”山に悪い人はいない”という説はもうなくなってきています。
貴重品は自分で管理、さらにその上をいくリスク管理も必要になってきていると感じます。
登山道の整備が行き届かなくなる(一部は山小屋が管理しているため)
倒木があったり、台風で登山道がふさがれてしまったり。
緊急の対応は、すべて山小屋が対応してくれています。
山小屋は、その周辺の登山道整備を担っていることがほとんどなんですね。
もしも、山小屋のスタッフがいらっしゃらない・山小屋に誰もいないという事態が発生すると、倒木だらけ・渡渉で歩けないという事態が今までより多く発生してくるでしょう。
寒い時期の快適登山ができなくなる
私はとても寒がりです。
なのでストーブほど、山小屋の存在価値を再確認できるものはありません。
乾燥室もめちゃめちゃ助かる存在ですし
- レインウエアの乾燥も1時間あれば終わる(カレーライス食べてゆっくりしてたらあっという間)
- 乾燥させると重量が軽くなるので、快適に歩ける
- 夜の団らんのスパイスにもなる。
- 温まるだけでなく、火を見ることでリラックス・会話も弾む
- 日本酒を温めたり、スルメを炙ったり
本当になくてはならないもの。
冬の美しい景色を見るためには、私にとって山小屋の存在は大きすぎるものです。
実際、寒すぎて体調が悪くなったことがありますし。
山小屋で回復して次の日は元気に歩けた、ということも何回かあったりしますよ。
標高の高いところでは、いくら元気だったとしても「気温差や気圧差で体調不良」なんてことは結構起こりうることなんです…
ストーブ無しに、雪山登山はありえないです!!
まとめ:山小屋がなくなったら…なんて考えたくもない!
ここで一度まとめましょう。
①長期縦走が不可になる
②お手洗い・水場の問題を払拭できず、コースのバリエーションが少なくなる
③冷えたビールを買えなくなる
④食事を取れなくなる
⑤星空や朝焼けを堪能する楽しみも減る(できるとしたらテント泊のみ)
⑥テント泊サイト(野営場)の管理もされず、荒れる可能性も
⑦登山道の整備が行き届かなくなる可能性(一部は山小屋が管理しているため)
⑧寒い時期の快適登山ができなくなる
どれひとつとっても悲しい内容…
新型コロナウィルスで、山小屋泊の計画を立てていたけれどキャンセルせざるを得なかった方。
たしかに残念ですよ。それは誰もが思っていることです。
しかし想像力を働かせれば、今自粛しなければいけないことは誰しもわかるでしょう。
新型コロナウィルスはどの風邪よりも感染力が強く、三密でクラスターを発生させます。
それを振り切って遠征登山に行ってしまう方は、山小屋のオーナーやスタッフさんたちの思いを踏みにじることになるのですよ。
実際、日本山岳連盟は以下組織と共同で声明を発表しています。
- 公益社団法人 日本山岳・スポーツクライミング協会
- 公益社団法人 日本山岳会
- 公益社団法人 日本山岳ガイド協会
今を乗り切らないと、夏山シーズンを棒に振ることになります。
山小屋が無事に開けられ、たくさんの登山者の笑顔が見れますように。
ただただそれだけを願っています。
長丁場になりそうだけど、力を合わせて頑張ろうね!
以上、「山小屋がなくなったら…登山の楽しみがなくなる8つの理由」の記事をお送りしました。
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