こんにちは。アウトドアライターのaimiです。
8月初め、キレンゲショウマが開花しているとの情報を得たので、日本百名山「剣山」に登ってみることにしました。
「剣山」と言えば「キレンゲショウマ」の理由??
突然ですが、宮尾登美子さんの小説「天涯(てんがい)の花」をご存知ですか?
この作品を原作としたNHKテレビドラマは話題にのぼりました。
「天涯の花」=「キレンゲショウマ」という黄色いお花のことを指しており、それはそれはとても美しきお花です。
四国内では高知県の単独最高峰、手箱山の直下でも見ることができます。(ご紹介のコースはややキツイです)
今回のコース
【0日目】
見ノ越登山口に自転車をデポする
【1日目】
奥祖谷二重かずら橋→丸石→ジロウギュウ→剣山→一ノ森(テント泊)
【2日目】
一ノ森→剣山→見ノ越登山口。※デポした自転車で奥祖谷二重かずら橋へ戻る
※8月上旬、真夏のテント泊。重装備での山行計画です。
真夏のテント泊において、注意した点
真夏であることから食材はすべてフリーズドライにする
2018年の夏はうだるような暑さが続いています。
それは山の中でも同じことで…。
全てカップラーメンやアルファ米だと味気がないので、じょうずに山小屋の食事を取り入れることにしました。
ちなみにわが家では、アルファ米をまとめ買いしてあります。※災害対策のため
ソロテント泊なのでシェルターを試してみる
今回、真夏ということもありダブルウォールテントはやめて、ウルトラライトを意識。
あまり出番がなかった「シックスムーンデザイン」の薄目のテントを持参しました。
インナーが「蚊帳(かや)」のようにメッシュ構造になっていて、かなり軽量化できます。
が、反省点も多々あったので別記事にしてます。
大型ザックで自転車は乗れるのか?
今回、この計画を実現するには自転車のデポが不可欠でした。
見ノ越~奥祖谷かずら橋までバスという手もありましたが、本数が非常に少なく、不便。
※三好市市営バスが1日2本のみ運行
しかし、大型ザックでの自転車は経験したことがなくとても不安でした。
最悪、自分だけ車に戻りザックを回収することも考えていました。
剣山系大縦走の詳細
【0日目】見ノ越登山口に自転車をデポする
0日目がないとこの計画は成り立ちませんでした。
奥祖谷かずら橋までの道は交通規制がたびたびおこなわれており、工事の終る17時以降の通過が確実と思われ…。
とくに先日おこった西日本豪雨の影響も心配でしたので事前に調査しておいたのです。
四国地方整備局 道路情報提供システム
真夏なので17時を過ぎても真っ暗ということはありません。工事にかかることもなく見ノ越に到着。
しかし、対面から大型バスが来たときはヒヤッとしましたし、急ブレーキでタイヤロックも経験。なかなかできないことです(笑)道は非常に悪い…心臓にも悪い…
地元の方はスピードが出ていても、回避場所を知っているようでするっとクリア。何の苦労もなく走られています。よけてくれて助かりました…
無事に草の茂みに自転車をデポした後は、まったりとキャンプを楽しみました。
【1日目】奥祖谷二重かずら橋→丸石→ジロウギュウ→剣山…静かな稜線歩き
台風一過のはじめての快晴の予報であった2018年8月2日。
予報通り、猛暑になりそうです。
早朝の行動がカギ&1日目でメインの縦走を終える計画でいたので、早起きです。
夏のメリットは「一日の行動時間を長く取れること」なのですが、それはめいいっぱい行動するということを指してはいません。
いくら体力があっても近年は異常なくらいに暑いので、余裕を持った計画で臨むのがベターです。
丸石からジロウギュウまでは約300mの登りのはずですが、いったん下ります(涙)。
「剣山の縦走は一辺倒ではいかない」といわれるのはこのアップダウンにあるのかもしれませんね。
【1日目】剣山→一ノ森(テント泊)…さすが日本百名山。にぎわってます
剣山の頂上までは、ジロウギュウの激下りのあと、また登りになります。
そのまま目線の先に剣山があるのに、下らなくてはたどり着けない…
そしてこの辺りからは夏山登山ならではのにぎわいも。
ジロウギュウは人気の山なので、たくさんの登山者ともすれ違いました。
サクッと山頂を踏んだら「剣山頂上ヒュッテ」で遅めの昼食をとることにします。
8月のキレンゲショウマの時期はいちばんの繁忙期。
平日にもかかわらずたくさんの方が休憩されていました。
ヒュッテを後にして、本日の最終目的地「一ノ森ヒュッテ」に向かいます。
山小屋が2つあるメリットは、ひとつが混んだ時に逃げられる(笑)
しかもこちらの「一ノ森ヒュッテ」は相部屋を極力しない方針のようで、キャパシティオーバー(50名以上)の際は断るのだそう。ありがたすぎますね。
ヒュッテの手前が少し笹が濃いので、気になる方はレインズボンをはかれることをオススメします。
テント場にチェックインした後は、冷え冷えのビールを飲みつつだらだら山頂で過ごします。
日没の19時にはガスでおおわれて寒くなってきたので、テントに戻ることに。
【テント泊の贅沢の極み】小屋でなく、テント場から朝焼けが見えるのが一ノ森
今回「一ノ森」でテント泊を目的に来た理由は、山の友人が「一ノ森からの朝焼けが四国で一番きれい」だといっていたことにあるんですね。
その理由を確かめるだけに来てみたのです。
- 肉眼で和歌山(本州)が見えている。紀伊半島最高峰の大台ヶ原まで見えることも
- 徳島の夜景が見える
- 天気がよければ土佐湾も
- 対面に見える高越山(徳島県)もカッコイイ
ヒュッテのオーナーさんから聞く話は興奮する材料ばかり(笑)
目の前の山をおつまみにお酒が飲めるんですね。ソロテント泊、贅沢の極みです。
もちろんビールは冷え冷えのものが買えますし、コーヒーも飲めます。
そして、特筆すべきは…この場所は見ノ越から剣山リフトを使えば最短で3時間かかりません。
らくらく登山をする人にもハードルが高くない場所なのです。
【2日目】一ノ森→剣山…キレンゲショウマが満開だ!
名残惜しすぎるテント場を後にする前に、「槍戸山(やりとやま)」の稜線をたどってみることにします。
一ノ森ヒュッテからは1時間で到着するという山。
しかし、歩いて15分くらいのところで撤退。
[剣山縦走最終日]
一の森ヒュッテのご主人に槍戸山を進められるも背くらいの高さのびしょびしょな笹の露に苦戦し早くも撤退⁉️😅
きょうは下山だけなのでリフト最終までは遊べます❗ pic.twitter.com/VpLCygKiQd
— aimi@KOCHI⛺️山ごもり中 (@aiaiminini) 2018年8月2日
濡れた荷物を乾かして、剣山に戻ります。
ヒュッテに宿泊されていた方々もジロウギュウに向けて出発されました。
小屋の前に保護されているキレンゲショウマも見ごろを迎えています。とってもきれいですね。
【2日目】剣山→見ノ越登山口…デポした自転車で奥祖谷二重かずら橋へ戻る
前日来た時にガスっていたので剣山のリベンジをすることに。
そういうのもあって、個人的には山頂に泊まるメリットは大きいです。
とはいっても木道を歩くだけなんですが…
やはり午前中のほうが視界が開けていました。
【悲報】キレンゲショウマの大群生を見逃すというオチ
頂上ヒュッテから下る際に「刀掛けの松」というポイントがあるのですが、どうやらその道を間違えて下ってしまったようで…
やってしまった~!!大荷物なので登り返す元気がない(笑)
気づいた時、すでに遅し。
また来年の楽しみにとっておきます…。
でも「一ノ森ヒュッテ」の群生(当たり年)を見れただけでも満足です!
下山しました。
ちょうどお昼になったので、自転車に乗る前に腹ごしらえをすることにします。
特に何も考えず、ふらっと食堂に入ってみることに。
メニューは登山者向け定番のものが多かったです。
「牛丼」「カレーライス」「祖谷そば」。
とくに祖谷そばはこのあたりの名産品。
麺は太目なんですが、ぷつぷつ切れて食感は面白いです。
さっぱりしていて食欲のない人でもおススメ。
見ノ越には民宿や食堂が10軒程度立ち並んでいます
【剣山大縦走の核心部】「自転車で奥祖谷かずら橋に戻る」の検証
前日に、見ノ越まで自転車を置きに来ているため、どんな道なのかはわかるのですが60リットルのザックを背負っての自転車は初めて。
「背からお尻までの部分がタイヤに干渉する」という懸念点がありました。
カリマーの「クーガー」というモデルで縦走してきたのですが、ドでかいです(笑)
そして、注目を集めます(笑)
剣山は日帰りが主流の日本百名山です。めっちゃ見られますね。
そんなことも言ってられません。バスもないし行くしかないです!
結論としては…さいごまで乗りました(笑)
ただずっと下りで(標高1300→1100m)重量がすべてブレーキにかかるので、腕が疲れてパンパンになってしまいます。
ブレーキ休憩を5回くらいしましたが…自転車をこぐ必要がなかったのがまったくの幸いです。
そして腰を浮かせながら60リットルのザックを背負うのって体幹を使いますね。ありえない体制です(笑)
まとめ:丸石~一ノ森ルートは剣山大縦走のひとつの選択肢としてオススメです!
四国の縦走路の中でも人気の剣山ですが、だれもがあこがれるのは「三嶺~剣山」ではないでしょうか(2泊3日を推奨)。
2018年5月にはアドベンチャーレーサーの田中陽希さんも歩かれました。
避難小屋「三嶺ヒュッテ」「白髪避難小屋」「丸石避難小屋」が縦走路に点在しているので、シュラフとマット、食料をもってぜひ!玄人向けの剣山縦走路へお越しくださいませ。
その前哨戦としても「丸石~剣山~一ノ森」は大いにありだと思います。
私も四国にいるからには絶対に「三嶺~剣山」は、実現させますよ(笑)
以上、『満開のキレンゲショウマと丸石~剣山~一ノ森縦走【徳島県三好市】』の記事をお送りしました。
剣山への登山口「見ノ越」へのアクセス
【住所】徳島県三好市東祖谷菅生見ノ越
【駐車場】無料売店・トイレもあり、車中泊も可能。
登山に備えてゆっくりと民宿に休むのもありですね。
\「民宿まつうら」なら1泊2食6,000円台~とリーズナブル/
下山後の日帰り温泉・「いやしの温泉郷」へのアクセス
【住所】徳島県三好市東祖谷菅生28番地
【日帰り温泉料金】大人300円、小学生300円
【受付時間】10:00~20:30最終受付
リゾートホテルにこの料金で入れるのはありがたい!
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今回ご紹介した剣山系の山々は、3日間くらいかけて縦走するのが定番ルート(剣山系ロングトレイル)。
ぜひとも無人小屋や営業小屋をうまく駆使し、軽量化をはかってのぞんでみてくださいね。