こんにちは、アウトドアライターのaimiです。
先日日帰りザックを新調、やはりUL(ウルトラライト)を意識したザックにしようと思い見つけたのが、テラノバ「レーサ-30プロ」。
”テラノバ”といえば、イギリスの山道具メーカーとしておなじみですが…
特に軽量テントね!
これからご紹介するザックは、超軽量ザックの部類に入り…
30ℓで重量たったの459g!
これは一般的な軽量ザックよりさらにひとまわり軽いです。
まずは、このザックのコンセプトから。
【TJAR選手も愛用】テラノバ「レーサ-30プロ」とは?
「超軽量・山岳レースギア」のスペシャリストが日本人向けに作ったザック
日本からのリクエストに応えて開発されたNEWレーサーバックパック。レーサー20を元に、ショルダーストラップにはメッシュポケットを追加。
サイドメッシュポケットを復活させ、ロールマットを取り付けられるアジャスタブルストラップをボトムに配置しました。日帰りハイクから泊まりの山行までカバーする日本限定モデルです。
アマゾン商品ページより引用
冒頭にも少しふれましたが、”テラノバ”はイギリスの山道具メーカー。
日本ではケンコー社(本社:大阪)が輸入代理店としてやってくれているので、何かあった時のサポートも安心ですよ。
創業時は軽量テントをメインに作っているメーカーさんでしたが、最近では山岳レースギアの開発に余念がありません。
…ということで、トレラン勢のトレンドになった時期も!
今回ご紹介するザックのひとつ小さいモデル=テラノバ「レーサ-25プロ」も、TJAR(トランスアルプスジャパンレース)2016の選手が何人か使われていたということで話題になったザック。
極限まで荷物をけずるあの大会は、30ℓザックが”大きいほう”になるのだからすごいです…汗
選手たちはみな宿泊装備も持ってるんだからね〜
それではお待たせしました。
テラノバ「レーサ-30プロ」を1ヶ月山で背負ってみて、使い心地がわかってきたためメリット・デメリットをお伝えしていきますね!
【徹底レビュー】テラノバ「レーサ-30プロ」のメリット・デメリット
デメリット
①雨天前提の山行だとかなり厳しいかも…ポケットの防水性が不安
スピードハイカーの方の考え方って
雨天には山に行かない
という方が多かったりします。
私もフリーで働いていたりするので、どちらかというと天気を選んで山に行っていますね。
もしくは行く予定の場所がダメでも、天気のいい山域まで足を伸ばしたり。
雨天時歩く前提だとガチのレインコートなどがいるので、重くなるから(スピードハイカーはポンチョなど簡易的な装備ですませたりしがち)…。
なので大雨予報で山に行くというなら、このザックはもちろんオススメしません。
雨が染み込んできます!
本体こそナイロン70D(※デニール)でできてはいるけど、外付けポケットは半分がメッシュ製だから、水が浸透してしまいます。小雨程度ならしのげるけど…
※デニール…繊維の太さを表す単位。
テラノバ「レーサ-30プロ」の場合ですと…アウトドア用品でかつ、ナイロン製品で70Dというとほぼ最大値。これ以上大きい数字だと重くなり登山携帯性が悪くなります
②色展開が黒しかない
ザック選びの楽しみはカラーバリエーションだったりする私。
それが「黒(ブラック)」のみ、というのはなんとも寂しいものです。
遭難対策のためにも、”色付きザックが欲しい”と思う方も多いと思うのですが…汗
20ℓモデルでは青もあったようなので、ほかのカラーが欲しいという方は次のモデルチェンジを待たないとダメなのかも((((;゚Д゚)))))))
③ザック下部・アジャスタブルストラップにあまりに大きなアイテムは×
宿泊装備の外付けの定番、サーマレスト「ロールマット」なんかですと直径20cmあるので、ギリギリ入ると思いますが、本体の大きさに対して大きすぎます。
アンバランスでやや不恰好な感じになるかも。
なので、
薄いマット or 短いロールマット
+(メリットの項でご紹介する)”背面パッド”を有効活用
したりして、工夫し携帯するしかなさそうです。
メリット
①とにかく超軽量!…30ℓで459g【一般的ザックの3分の1・ULザックの半分】
サロモン「OUT DAY 20+4」 | テラノバ「レーサ-30プロ」 | ULTIMATE DIRECTION 「FASTPACK 30」 | OMM(オーエムエム) 「クラシック32」 | ザノースフェイス「エフピー30」 | |
重量 | 680g | 459g | 540g | 730g | 980g |
価格 (2021年6月2日現在、Amazon価格) | 13,200円 | 8,500円 (15,984円のところ、セール中) | 21,000円 | 18,700円 | 26,400円 |
発売時期 | 2020年 | 2018年 | 2015年 | 1973年(ロンドンオリンピック創始者の提言で制作、その後モデルチェンジを繰り返し今に至る) | 2019年 |
一般的な30ℓのULザックは表のように…すべて重量が1kg以下!
さらに500gを切るとは…テラノバすごいですw
以前ご紹介させていただいたULTIMATE DIRECTION「FASTPACK 30」ですら540gでしたから…
さらに軽い=30ℓザックとしては業界最軽量!
ザックは年々すさまじい進化をとげています。
スゴっ!
②ポケットが8つもある…背負ったままアクセスできるのが6つ
③ほぼ全てのポケットにドローコード付、荷物が滑らない
ポケットの個数は一覧にしてみたので、チェックしていただけると幸いです。
先日、石鎚山東稜でヤブ漕ぎしてもへっちゃらでした。
今回の山行ではこんな配置。
- チェスト(胸)部→ペットボトル・スマホ
- メイン(いちばん大きな)ポケット→Z型トレッキングポールをドローコードでしっかり留めあげ
- 小ポケット→手ぬぐいやエマージェンシーキット
ドローコードがないと浮いてしまいがちなトレッキングポールも、ヤブをひと超えするたびに心配になってチェックしてましたが、まったく問題なかったです!
ちなみにドローコードは8つ中4つのポケットについてます。
これならば、安心してトレランの方も走れそう。
ポケットがたくさんあるのは当たり前、アクセスのしやすさが重要と言われるトレラン勢・スピードハイカーにも納得のザックです。
④30ℓ+αの外付けパッキングまでOK(ザック下・アジャスタブルストラップ)
ザックの下の収納にも注目!
”アジャスタブルストラップ”が当モデルから追加されています。
しかもこれは30ℓの容量に含まれないというから、実質35ℓくらいもいけそう。
スピードハイク+1泊の組み合わせもOK
=まだまだ山行の可能性が広がる♪
あまり重いものは外付けすると心配なので、(山でもゆるキャン多めの私は)ネギやフランスパンが有力かなw?
実際、TJARの選手たちはマットをくくりつけてる方が多かったですね〜。
⑤背面パッド取り外しOK…テント泊・休憩時マットのがわりに
背面パッドが取り外せるULザックがスタンダードになりつつある昨今。
もちろん、こちらテラノバ「レーサ-30プロ」も取り外しOK♪
厚さも1cmあるので、寒い冬やゴロゴロ岩場の快適睡眠に役立ちそうです٩( ᐛ )و
思いの外、しっかりしたマットが出てきて驚いたw
サイズもタテ47cm×ヨコ25cmと、上半身なら頭〜首あたりまではカバーできそう。
⑥メインの出し入れ部分=”ご開帳タイプ”なのでパッキング下手さんも◎
一般的なテント泊の大型ザック、ULザックは防水性を高めるため”ロールトップタイプ”が主流。
”ロールロップタイプ”とは、雨蓋がなく荷物入れの部分が「くるくる丸めてある」タイプ。例えば以下の様なザック。メーカーでいうと”山と道”も有名ですね。
しかし、
- 大雨・突風のなか突入する様なムチャな山行スタイルでない方
- 別途ザックカバーを持ち歩き、絶対に濡らさない!意思の固い方
- パッキングが下手、上手くなる気配がない方
ならばこのザックを検討すべき。
特に3は、登山歴10年目の私でも一向に上手くならず半ばあきらめているのですが…
パッキングに時間を使いたくないので、さっさとこれに変えたほうが合理的だったのかも?
適当に詰めても、すき間が一目瞭然なので。
そこに埋め合わせてチャックを閉めたら完成〜٩( ᐛ )و
おかげで先日の石鎚山の岩峰でのランチも爆風にもかかわらず、チャチャっと済ませられましたし。
歩くことに集中したいから、パッキングには時間をかけられません!
⑦ショルダー(肩)ストラップが分厚く、優秀すぎ…他社の44ℓ軽量ザックより太い
冬に購入したサロモン「バックパック OUT WEEK 38+6」は容量が大きいわりに、ショルダーストラップがペラペラで…(泣)
重い荷物を入れると肩が痛くなってしまいます。
冬はダウンなど、かさばるけど軽いものが多いから。
それ目的で買ったのでいいんだけどね。
いっぽう、今回購入したテラノバ「レーサ-30プロ」はそれよりもストラップが分厚く、クッション性がありしっかりしています。
ここまでストラップにこだわってる=トレイルランナーの意見をしっかり反映させたのでしょう。
その証拠に、今回石鎚山往復の際もまったく疲れず、快適に歩くことができましたよ!
【まとめ】テラノバ「レーサ-30プロ=泊まって走れる、スピードハイカーのためのザック。もちろん日帰り登山も快適に
ここで一度まとめましょう。
<テラノバ「レーサ-30プロ」とは?>
- 「超軽量・山岳レースギア」のスペシャリストが日本人向けに作ったザック!TJAR選手も愛用
<【徹底レビュー】テラノバ「レーサ-30プロ」のメリット・デメリット>
デメリット
- ①雨天前提の山行だとかなり厳しいかも…ポケットの防水性が不安
- ②色展開が黒しかない
- ③ザック下部・アジャスタブルストラップにあまりに大きなアイテムは×
メリット
- ①とにかく超軽量!…泊まって走れる!30ℓで459g【一般的ザックの3分の1・ULザックの半分】
- ②ポケットが8つもある…背負ったままアクセスできるのが6つ
- ③ほぼ全てのポケットにドローコード付、荷物が滑らない
- ④30ℓ+αの外付けパッキングまでOK(ザック下・アジャスタブルストラップ)
- ⑤背面パッド取り外しOK…テント泊・休憩時マットのがわりに
- ⑥メインの出し入れ部分=”ご開帳タイプ”なのでパッキング下手さんも◎
- ⑦ショルダー(肩)ストラップが分厚く、優秀すぎ
いや〜思った以上に良いザックで、すごく気に入っています♪
トレランメーカーのって一回使うと、もう普通の登山メーカーのザックに戻れなくなるよねw
まさにその通りで、以前持っていたモンベルのザックも全部メルカリにお嫁に行ったので…
マイザックは全部トレランメーカーのものになりましたw
フレームレス※まではまだ手が出せないけど(※背面パッドが入っていないザックのこと。多分それは無理だと思う…)、軽量化できるところはしていかないと。
いつになっても軽やかに歩けませんからね。
一度、登山用品ショップやAmazonワードローブ(アマゾンの試着サービス・返品OK)などを活用して背負ってみてください。
とにかく本体が軽い!
きっと世界が変わりますよ!
ちなみに…まもなく次モデルが出るのかも?
今ならお安く変えるチャンスです。
2021年6月4日現在、Amazonも楽天もYahooショッピングも1万円を切ってますw(定価16,000円のところ8,000円台のところも!)
以上、『【徹底レビュー】テラノバ「レーサ-30プロ」はスピードハイクに最適〜TJARの選手も愛用!軽量すぎるザック』の記事をお送りしました。
テラノバ「レーサ-30プロ」と一緒に買うとGOODなアイテム
ここからは、本文でもちらっと触れたテラノバ「レーサ-30プロ」と一緒に買うとGOODなアイテム”をご紹介。
①ザックカバー(30リットル用)【外側から防水】
テラノバからザックカバーは発売されておりませんので、登山メーカーのノースフェイスのものをご紹介。
基本的にどこのメーカーでも構いませんが、登山メーカーなら防水もしっかりしていますので安心です。
②ドライサック(防水スタッフサック)【内側から防水】
〜小分けバージョン〜
小さい袋をいくつか持って”内側から”防水したい方はこのタイプがオススメ。
後述する、大きめのドライサックにはないメリットとして”圧縮機能”があります。
これがあると、ダウン・寝袋などを小さくすることができ(空気を抜ける)非常に使い勝手がGOOD♪
ちなみにこちらを持参すればテント泊の際「エアー枕」を持参しなくて良いのは非常にメリット。
〜約30リットル分すべての荷物を入れるタイプ〜
1つのドライサックに全部の荷物を入れてしまえば、開けないかぎりは絶対に濡らしませんね。
前述した圧縮機能のある小さいタイプとうまく使い分けるとよいでしょう。
- テントなど結露・雨で濡らしてしまったもの→小さいタイプに入れ、いったん封印
- すべてのものを濡らさないために→全部ガバッと守る!大きいタイプ
という感じに!
③「ドライアップ」【洗濯機用・中性洗剤】
/
テラノバ「レーサ-30プロ」は、洗濯機で洗えます
\
これはトレイルランザックがベースだからこそのメリットでもあります。
じゅうぶんに恩恵を受け、ザックを清潔に保ちましょ!
なかでも、今回ご紹介した「ドライアップ」は汗ジミをしっかり落としてくれる強力な味方!
”汗ジミ落とし特化”洗剤なのであります。
私は
- ひどい泥ヨゴレ→「食器洗剤」で部分洗い
- 全体的な汗ヨゴレ→洗濯機へGO!「中性洗剤」で丸洗い
と使い分けしてます〜
この前も、丸洗いしていたのですが…
つけ置きしてる時点で、見たことのない茶色い液体が出てきて驚がく!!
やはり、面倒くさがらずこまめに洗うべきですね。
ハードな山行を共にした相棒。
せっかくですから清潔に保ちたいものです。
汗ジミはカビの原因にもなりますし、アブが寄ってきたりもしてイイ事ないです((((;゚Д゚)))))))
アブは二酸化炭素や汗の匂いに酔ってくる習性があるんですよね
「メマトイ(やはり山の害虫)」などとともに、夏山のウザかられる存在No.1。
関連記事
【徹底レビュー】サロモン「バックパック OUT WEEK 38+6」は強力フレーム付・縦走用ULザック
サロモン「バックパック OUT WEEK 38+6」は宿泊装備もOKなトレランベース・やはりスピードハイク用ザック。
サロモンのトレランノウハウが随所に見れる、素晴らしいアイテムですよ。
中でも「肉抜きフレーム」に感動しました。
1泊2日・真夏のテント泊で歩いてきたときの感想も書いています。
【女性こそおすすめのULザック】「ULTIMATE DIRECTION(アルティメイトディレクション) FASTPACK 30」徹底レビュー
テラノバ「レーサー30プロ」を購入する前は、こちらを愛用していました。
破れてしまったので、今回買い替えとなったわけですが。
最近新色も増えて心が揺れましたよ…w
UL(ウルトラライト)。衣食住持って女1人テントの山旅だってできちゃうんです。
「ウルトラライト」の理念が言われるようになったのは、2010年くらいから。
なのでわりと最近なのです。
この考え方が広まったおかげで、ULメーカーさんもグッと増えましたよね。
初心者さんがひと通りの山道具をそろえる前に、ちょっと読んでみて欲しい記事。