こんにちは!テント泊大好きアウトドアライターのaimiです。
独身のころから、わたしは一人旅が大好きでした。
2010年くらいから始まったUL(ウルトラ・ライト=軽量化)ブーム。
これにより「一人旅❌UL」という山行スタイルが確立、
行けない場所はない!
なんともワクワクする旅を実現できるのだろう!
と鼻息荒くしたのを覚えています。
一人旅は、山においても楽しい。
バックパッカーの延長=ソロ・ロングトレイルハイカーはどこにいても珍しくない時代に
「僕にとって、バックパッキングの旅は、法律の外へ出かけることを意味している。ひとり法律の外側を歩いていると、圧倒的な自由が広がっていく。その自由さは、自分の気持ちや自然に対してでなければ生まれてこないたぐいのものだ」
~一人を楽しむソロキャンプのすすめ 堀田貴之 著より
私は独身のころ海外国内問わず、いろんな場所に行きました。
結婚し夫婦で登山を始め、何度も旅したいわたしにとって、1泊1万円の山小屋での宿泊費は非常に負担でした。
そのため、費用を抑えるために、テントで旅をしたことが何度がありました。
火打・妙高山(新潟県)、白馬岳(長野県)、三条の湯(山梨県)etc.。。。
ただそのときの思い出は「あまりにも重くて楽しみが半減してしまった」。
でも、そこでいやな思いをしたらもう二度と泊まり登山はいかなくなってしまう。
それってもったいなさ過ぎなんですよね。この本を読み気づかされました。
最近はテントもシュラフ軽量化が進んでいて、女性でも無理なくテント山旅ができるようになってきたというのに。
ソロ=衣・食・住全部持たないといけない→装備軽量化は進化し続けている!
今、女性でも軽くて楽しめる(もちろん男性も!)「UL(ウルトラライト)ハイキング」=軽い装備で遠くに歩くこと。がブームになっています。
UL(ウルトラライト)を初めに日本で提唱したのは、東京都三鷹市にある「ハイカーズ・デポ」というお店の土屋さんといわれています。
お会いしたことがありますが、ひげの素敵なダンディーなおじさまです。
イベントで一緒に信越トレイル(新潟県と長野県の県境)を歩かせていただいたことがあります。
登山者からすれば、そもそも最近の登山用具は非常に軽くできているので、
「だからどうした?」と疑問に思うかもしれない。
しかし、真のウルトラライトハイキングは、
それほど単純なものではないのだ。
じつは「ウルトラライト」という言葉は
アメリカのロングトレイルから生まれていて、
何ヶ月もかけてトレイルを歩くための技術であり、
その経験から生まれた思想でもあるのだ。
~ヤマケイオンラインニュースHPより引用
登山やハイキング=「こうじゃないといけない」形式がないということ。
前出の堀田さんなんてギターも山に担いでいくんですから。
何を持って山に入っても自由!!!
余計なものは置いてって、あいたスペースや軽くなった分で趣味性の高いものも持っていけるんです。
たとえば雪解け水でおいしいコーヒーを入れたいから携帯ミルと豆。
考えるだけでもステキじゃないですか!?
山を歩きなれてくると何が必要で必要じゃないか(取り替えられるか)わかってきます。
ステップアップとして、少しでもUL思考を取り入れていくと気持ちに余裕が生まれますよ。
「軽い=自由になれるし、遠くまでいける」んですもん。
良い事ばっかりじゃないですか?この思考を知った当初、わたしは目からうろこが落ちまくりでした。
重い荷物をわざわざ持って苦しむのはもう終わりにしました。
どこでUL装備は売ってるの?
ULガレージメーカーを扱う個人ショップ多め
モンベルの店舗で売っているものはアウトドア道具の「優等生」。
ちょっと遊び心がほしくて物足りないんです。
もちろん基本的なものはそろいますが、必ずしもUL思考のものばかりではありません。
四国・愛媛では「T-mountain」というショップが力を入れています。
東京だと迷わず前出の三鷹の「ハイカーズ・デポ」。大阪だと「UTILITY select shop」が有名ですね。
▼愛媛県のULショップ「T-mountain」のイベントに参加した時のレポート▼
UL装備はいいこと尽くしなのだ!
【ULにすべき理由①】空っぽのテント泊用ザック(60ℓ)の4分の1の重さ
ここからは「ULにすべき理由」を2つお話しします。
テント泊用の大型ザック(60リットル程度)はショルダーストラップなど、付属品が多く頑丈なつくりで何も入れなくても1~2キロくらい重量があり(!)、1キロの砂糖の袋2袋持っているのと同じですw
歩き始めると「荷物が重いから、姿勢が悪くなる」と負のスパイラルに陥ります。
そして、以下のような危険がふえます!
=日暮れ間近・周りが見えにくいことからへの遭難リスクが増える
=時間に追われ、精神的によくない
=暗くなると慌てて行動しがちなので、滑落・怪我の可能性が高まる
→最悪死亡事故につながる
それに比べてULハイク(トレラン)用のザックの本体は500グラム以下です。
なので、荷物を極限まで減らせば姿勢よく歩けて疲れない。
どこまでも歩ける!自由!!今まで以上に山旅が楽しくなります!
私たちが身近に下界でやっている断捨離と同じです。
余計なものにはさっさと見切りをつけて、極限まで減らします。
その分周りが見えて、よりいっそう楽しめるようになっちゃうんですよ。
【ULにすべき理由②】荷物が重すぎて山旅がたのしめない
じつはわたし自身もはじめは失敗ばかりでした。
重い荷物を遠くまで運ぶということだけで疲れてしまい、おまけにショルダーストラップ(腰骨のところのストラップ)の締めすぎで道中気分の悪くなる始末。
でも、UL仕様で初めて三条の湯に訪れたときに「楽しさ」を実感しました。
温泉入って、お酒飲んで、焚き火を見ながら、眠りにつく。
しゃがんでカメラで足元の「コケ」を撮影したり、(荷物が重すぎるとそもそもしゃがめないんです)サルの群れと戯れたり自由自在。
行く予定じゃなかった飛竜山のピークまで難なく踏めたのには驚きでした。
「テント泊にはきついルート」のはずが、むしろ余力すらも残っていたほど。
まずは何から見直せば?
ギアは重いものから見直すのが基本ですが、いきなり高価であるシュラフ(寝袋)など買い替えは金銭面で難しいので、安価なものからという方も多くいらっしゃいます。
無理なく進めて楽しい登山ライフを送りたいものです!!
順番は小さなものからが基本。
手をつけるべき順番でご紹介していきますね♪
「ガスバーナー」→「アルコールストーブ」or「固形燃料」への変更
UL装備はガスバーナーをやめてアルコールストーブからという方も多いですね。
軽くなるのはいいのですが…
アルコールストーブは着火しても炎が見えにくく注意も必要です。
また、木のテーブルなどで使用すると高温で溶けることもあるので、金属板を敷いて使いましょう。
もう一つご紹介したいのが、”メスティン”ブームで利用者が増えている『固形燃料』。
先日のテント泊で持参しましたが、お湯を沸かすのだけならコンパクトで有用。
火も消えにくいので、樹林帯で使えば風防もいりませんでしたよ!
凝った料理などはできませんが、インスタントだけ食べられればいいやという方は要注目です。
固形燃料は直火料理には使えませんので注意。
「ザック」→「トレラン用軽量ザック」への変更
「ザック」→「トレラン用軽量ザック」への変更は日帰り登山でも効き目大!
▼私の購入した「トレラン用軽量ザック」▼
さらなる持ち物を見直した結果、小屋泊でも43リットルに収まるようになりました。
▼私の購入した「フレーム肉抜き43ℓザック」▼
「クッカー」→「チタンマグ」への変更
「チタンマグ」はソロ山行に特におすすめしたいアイテム。
軽く小さいのでミニマムに登山をしたい人にはもってこいです(‘◇’)ゞ
じつは私もお恥ずかしながら、チタンマグの存在を知ったのが最近。
これがあれば、クッカーもう使いませんね(*_*;
以下の記事に「チタンマグ愛」を書いていますのでもしよかったらご覧になってください。
▼私の購入した「チタンマグ」のレビューです▼
「登山靴」→「トレランシューズ」への変更
「登山靴」→「トレランシューズ」への変更。
歩き方に多少の注意は必要ですが、ある程度登山慣れしていて体幹にも自信がある人にはオススメです。
ちなみに上にリンクを貼った「ホカオネオネ」というブランドのシューズは「厚底」に特化しているブランドでクッションが非常にきいており、足が疲れません。
一方サロモンのシューズは靴紐を結ばなくてもいい仕様になっており、締め付けも調整できて便利。
トレランシューズは登山靴と違い、ソール減りが早い消耗品なので…
私はコスパのいいサロモンを愛用してます♪
▼私の愛用しているシューズのレビューです▼
「テント」→「ツエルトor軽量テント」への変更
さいごにお金に余裕のあるときに「テント」→「ツエルトor軽量テント」への変更や、「寝袋(シュラフ)」→「ヴィヴィ」などを検討していくと驚くほど軽くなっているはずです!
▼私の購入した「UL軽量テント」のレビューです▼
「マット」→「腰までの短いマット」への変更
登山歴10年を超え、テントでの安眠にいちばん重要なのは、マットだと気づきました。
エアーマットやクローズドセルマットも試しましたが、寝返りしやすかったのはインフレーターマットでしたね。
とはいえ、重いのは嫌…ですからショートサイズに変更。
足は空のザックでカバーすれば保温できますし、余計な長さはいらないのです。
「寝袋」→「ヴィヴィ」への変更
夏季テント泊なら、寝袋をカットする人も増えています。
「ヴィヴィ」=「エマージェンシーシートの袋状になっているもの」なので、保温力もバツグン。
気温10度をわらないのであればテント泊にもってこいです。
私は最近もっぱらコレ!
エマージェンシーシートやパックライナー(※ザックカバーと違い、内側から雨水を防ぐアイテム)と兼ねているので、一石三鳥なんだよね。
もちろん154gと小さく、寝袋の半分以下の重さ。荷物もバツグンに減ります〜!
▼私の購入したSOL「エスケープライトヴィヴィ」のレビューです▼
まとめ:荷物を厳選すれば、衣食住持って女1人テントの山旅だってできちゃうんです
登山をステップアップするにつれ、装備は増えがち。初めから軽量化を意識することであとで困らない
いかがでしたでしょうか?
装備を買い換えるのはお金がかかりますが、今から登山を始めたいと思っている方ははじめから軽量化の視点から装備を購入されることをオススメします。
なぜなら、「登山のステップアップがしたい」と思ったときにどんどん荷物が増えるのが目に見えているからです。
たとえば、冬山を始めたい場合
- アイゼン
- わかん
- ピッケル
- 冬用アウターシェル
- 冬用登山靴
特に冬用登山靴は、アイゼンを固定できるように作られていて、保温性もあり、大変重たいんです。
10年前にはこのようなUL装備のショップなどまったくなかったことを考えると、今から登山を始めようとされる方はとっても恵まれていると思います。
ぜひ、ひとりテント泊で山の中で過ごしてみてください。荷物を軽くして体力を温存しておけば、テントでの快適タイムも楽しめますよ!
以上、「UL(ウルトラライト)。衣食住持って女1人テントの山旅だってできちゃうんです。」の記事をお送りしました。
参考DVD
装備の見直しとメンタルを鍛えるのにもオススメ。究極はコレ!「TJAR」のDVDを参考にしよう
ここでは日本海からスタートし、北アルプス、中央アルプス、 南アルプスを抜け、太平洋まで1週間で走破する2年に1度の日本縦断レース「トランス ジャパンアルプスレース(TJAR)」のDVDをご紹介したいです。
以前NHKで放送されたものに再編集を加えたものです。
このDVDは名前のとおり、過酷であるのには違いないのですが、「装備の見直しで迷っている方」が目を肥やすために見るのも大変オススメです。山の中で小さなテントを張り、最低限の装備で夜を迎える。
また、装備が軽いからこそ山で躊躇なく「走れる」わけなので、UL装備をお考えの方は見る価値があるといえます。
さいごには挑戦し続けるランナーの方に、情が移ってしまって涙してしまうかも?結構感動しますよ。
2012、2014、2016、2018年ときて…
2021年(2020年のものが延期なので表記は2020のまま)も開催予定!
2016と2018が映像化されていますよ♪
2021年6月『トランスジャパンアルプスレース大全』という書籍も発売になりました。
この書籍は雑誌「RUN & TRAIL」の連載を一部まとめたもので、アイテムについての言及もあり。
TJARはブログなどをされている選手も少ないので、貴重な情報源だったりします。
あまりに見るのが好きすぎて、「TJAR4つの魅力」という記事も書いてしまいました♪
以上、「UL(ウルトラライト)。衣食住持って女1人テントの山旅だってできちゃうんです。」の記事をお送りしました。
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【遭難への備え】日帰り登山+αで持ち歩いておくべき!!8つのアイテム
いくらULだからといって、必要なものまで削ってしまうのは良くないです。
本当に初心者の方はいったんはULという概念を捨て去って、基本のアイテムをチェックすることから始めましょう。
【登山は危険】山では人がすぐ死ぬ、ということを意識してほしい件~私の体験から語ります
私が死を意識した場面・3シーンの例を挙げています。
いつ、何が起こるかわからないのが登山。
リスク管理のイメージを持っておくだけでも、自ずと対処法がわかってくるはずです。