こんにちは。アウトドアライターのaimiです。
先日、日本百名山の剣山に登ってきた際、稜線のテント場で「SIX MOON DESIGNS・Lunar Solo (シックスムーンデザインズ ・ルナーソロ)」を使用してきたのでそのレビュー記事を書いていきます。
\2020年マイナーチェンジを終えたばかり!/
超軽量ギアを製作する米メーカー「SIX MOON DESIGNS」とは?
ご紹介するのは「SIX MOON DESIGNS」というアメリカのオレゴン州ポートランドにあるアウトドアブランドのテント。
メーカー名「SIX MOON DESIGNS」の語源は、パシフィッククレストトレイル(PCT)4,279kmをゴールするには約6ヶ月かかる…ということから命名されました。
ブランドオーナーのロン・モークが2000年にPCTを経験した際、ギア軽量化の必要性を強く感じ、超軽量ギアを作るきっかけになったと言われています。
SIX MOON DESIGNS・Lunar Solo (シックスムーンデザインズ ・ルナーソロ)」とは
タープのような通気性。ビビイに迫る超軽量テント(わずか710g!)
今回ご紹介するのは、2020年にマイナーチェンジしたばかりの通気性抜群の個性的1人用テント。
公式ページには
- テントのようなプロテクション
- タープのような通気性
- ビビイに迫る超軽量スペック
が特徴のワンポールテント。
…と書かれており、テントという名のテントじゃない⁈
まるで蚊帳(タープ)のようなテントなんです。
立ててみると驚きます!メッシュ構造ってこんなに涼しくて軽いんだ!と。
カーボン製の専用ポールが別売り対応で、トレッキングポールでも代用可能。
前室を作ることができ、タープ・蚊帳のような構造も兼ね備えています。
シルエットがめちゃくちゃかっこいいんです!!
以下の写真をごらんください!
こちらの写真は日本百名山の「剣山」のとなり、一ノ森のテント場で撮影しました。
「霧でよく見えない」…とツッコまれる前に、私が買うきっかけになったインスタの画像を載せさせていただきます(笑)
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昨日から一泊で坊ガツルにテン泊登山に行って来ました。 #坊ガツル #テン泊 #登山 #テン泊登山 #sixmoondesigns #lunarsolo
ここからは、「SIX MOON DESIGNS・Lunar Solo (シックスムーンデザインズ ・ルナーソロ)」のデメリット・メリットをお伝えしていきます。
デメリット
①結露する(速乾タオルで拭くことで解決)
ルナーソロは構造自体、「シングルウォールテント」と変わりません。
そのため、人間の呼気と外気温の差で結露が発生することが多くあります。
ふれると雨のように降ってくるので、服やシュラフが濡れてすこし厄介。
対策としては、
- トレッキングポールをなるべく長くして天井と床のあいだを高くすること
- なるべく天井に触れないように縮こまって動作をすること
- 手ぬぐい(速乾タオルならしぼったら繰り返し使えて便利)でまめにふくこと
設営途中。この後トレッキングポールを長めにしてテンションをかけました。しっかり張っていても結露がスゴイです。
今回実験した剣山のテント場では、朝起きるとシュラフの表面に水滴がついている状態でした。
これは、行く山域で使い分けたほうがいいのかもしれません。
少なくとも四国の夏は、結露がすごかったです。
テスト日:2018年8月2日、最低気温15℃・最高気温23℃程度の雨上がり
ちなみに3年くらい前、北アルプス白馬大池で張った際はここまでの結露はなかったです。こちらのテント場は風通しが良かったからでしょう。
さらには同じ四国でも梅雨入り前の東赤石山の樹林帯では結露は皆無。ここは森に囲まれていたので放射冷却が起きにくかったのが勝因かと♪
乾かす時間がない場合、湿気で重量が重くなってしまうのが難点ですよね…。
防水圧縮袋などでせめて”濡れ対策”だけはしましょう!
②寒い(冬には向かない。あくまで3シーズン)
暑い場所で快適ということは、裏を返せば少しでも寒くなれば普通に寒いということです。
私はとても冷え性、寒がりです。
したがって、こちらのテントをもっていくのは冬以外(3シーズン)にしています。
今回ダウンパンツをもっていかない代わりにテントシューズを持っていきました。保険ですね。
③雨に弱い(ひどい雨だと分かりきっている山行には向かない)
「最軽量テント」と言っても、薄いのでタープや蚊帳のようなもの。
雨には大変弱いです。
雨だとわかり切っている山行では使わなわいほうがいいでしょう。
しょせんシェルターなのか…?( 一一)
そのため、この商品は「シームレス加工」を推奨しています。
たったひと手間。これだけで全然変わりますのでお試しください。
ルナーソロは表面がつるつるしているのでチューブタイプのほうが相性が良いです。
ただ、手軽に作業できるのはテープのほうなのでリペア用でひとつ持っていてもいいかもしれませんね。
ちなみに海外製のテントはほとんど無加工だから、シーム処理は必ず自分でやることになります。
他のテントの雨漏りなどのトラブル時の補強用にも使えるので、、、、1つは備えで持っていても良いよね。
▼チューブver.▼
▼テープver.▼
④トレッキングポールがないと設営できない(ない場合は純正ポール必要※重さ61g)
トレッキングポールは「山あるきにかならず必要」というものではありません。
体幹でしっかり歩ける方は、トレッキングポールなんていりませんし、むしろ荷物になってしまいます。
そのため、トレッキングポールを持たない=ポールを購入しなければならないということに…。
これをどう思うかは、こちらの商品を買うかどうかのカギにもなりますので、じっくりと考えてみましょう。
もしもポールを購入となった場合でも「カーボン製」なので、一般的にテントポールで多用される「アルミ製」よりもしなやかで軽いです。
「カーボン(炭素繊維)」の特長は、なんと言っても軽くて強いこと。 比重が1.8前後と鉄の7.8に比べて約1/4、アルミの2.7あるいはガラス繊維の2.5と比べてもとてつもなく軽い材料です。
そのうえ、強度および弾性率に優れ引っ張り強度も鉄の約10倍!
カーボンは軽い・強い・気温差が酷くても寸法がずれない=設計通りに動く、ということで飛行機の素材などに使われています。もちろんトレッキングポールにも!
シックスムーンデザインズの純正カーボンポールは2種類。
- 116cm(51g)
- 124cm(61g)
があるので、あなたの座高&理想の天井空間がどれくらいなのか?相談して決めてくださいね。
テントポールをひとつ持っているとキャンプ場に持ち出しやすくなります。
ポール自体も一般的なULトレッキングポールの重さの約3分の1なので、登山をせずただキャンプするといった場合はあると便利。
メリット
①軽い(たった710g!一般的なテントの半分)
長く歩くには、軽いのは正義。
疲れてしまっては山旅は楽しめません。
精神的にも体力的にも余裕が必要です。
一般的な1人用山岳テントが1kg超えは当たり前なのに対し、
「SIX MOON DESIGNS・Lunar Solo (シックスムーンデザインズ ・ルナーソロ)」は1人用のUL(ウルトラライト)テントでは最軽量、重量はたったの710g(ポール抜きの場合)。
ポール(51g)を含めても761gですから一般的なソロテントの半分です\\٩( ‘ω’ )و ////
本当に軽い!!!
約半分!
②小さい(40ℓリットルレベルのザックで長期縦走OK)
ルナーソロは、収納時のサイズが28x10cm。
このテントにしてからは60リットルのザックだと空間が残ってしまうほどになりました。
年齢とともに衰えていく体力… 疲れてしまっていては山あるき自体、楽しめなくなってしますからね((((;゚Д゚)))))))
最近では、40リットルザックで長期縦走するのも可能になりました♪
>>このテントを持参し、四国最難関「二ッ岳」縦走の記事はこちら
③設営がたった2分で終了
ペグは6本必要です。付属していないので軽いものを購入しましょう。
テントのペグ素材では最軽量のチタンを選んでおけば、まず問題ナシ^ – ^
あとは以下のyoutubeを見れば完璧です。
私も購入前、こちらの動画を確認してから購入しました。
2分あれば設営終了!
ダブルウォールテントなら10分はかかると思うので、けた違いに早いです。
④広い(畳0.8枚分)
ルナーソロは、シェルターテントだから「どうせ狭いんでしょ?」と思う方もいるかもしれません。
でも、驚かないでください!
モンベルの大人気モデル1人用テント、「ステラリッジテント1型」をしのぐ広さです。
ざっくり見積もっても1.5倍は広いです。
しっかり測ったわけではございませんが、畳1枚の0.8倍かけくらいの面積でしょうか。
公式ホームページによると、荷物を全部外に出せば2人でも使えるとのこと。
(※その場合は荷物を置く場所がありませんが…)
モンベルステラリッジテント1型 | SIX MOON DESIGNS・Lunar Solo | |
設営サイズ | 90×210×105cm | 121×264×203cm(最大) |
SIX MOON DESIGNS公式ホームページより引用
\2020年マイナーチェンジを終えたばかり!/
⑤涼しい
今回実験した剣山のテント場では、床の底から吹き付けるゆるい風で快適に過ごすことができました。
内部に風が入る構造は、暑い日にはとてもありがたいです。
これぞ、メッシュテントの醍醐味!
⑥メッシュをむき出しにして蚊帳(かや)としても使える
暑い時には、風通しを良くするためオールメッシュにすることができます。
今回、テント場はそこまで暑くはなかったですが普通のキャンプ場などでは使えそうです。
オールメッシュにすれば、寝ながらにして星空を堪能することもできちゃいます!
⑦メッシュポケット・物掛けがある
テントでは、スタッフサック・小物などが散乱してしまうことがよくあります。
きちんとポケットにしまっておけば、アレがないコレがないと探すこともありません。
ルナーソロは、こんなに軽いのにそういった「気づかい」まであるのです。
私は物掛けに日中は手ぬぐい、夜はランタンをともします
⑧前室も広い(畳0.6枚分)
今回、設営後にすぐ雨が降ってきてしまい慌てました。そんなときも大丈夫。
テントに入り登山靴を前室に入れれば、フロア(テント床)に靴を上げる心配もありません。
最大にテンションをかければ1.1㎡の広さを作り出すことができます。
例えると0.6畳!タタミの0.6枚分だね。
また風の強い時にはポールをあえて低めにし、遠くにペグを打ち込むことで前室でバーナーを使うことも可能です。
先ほどの「広さ」の項目で比較した、モンベルのステラリッジ1型と比較してもその差は歴然。
テント内部 畳0.8枚分+全室 畳0.6枚分=畳1.3枚分、ぜ〜〜んぶあなたのもの!
十分すぎるくらい広いですよ。
広すぎて、寝返り打ちまくれますよw
余談ですが、寝返りを打てないほどの山小屋で寝た経験がありますが、一睡もできず。
次の日は体バッキバキでしたね。寝返り重要!
公式ホームページより引用
⑨雨のはね返りがほとんどない
ルナーソロはバスタブ構造になっており、多少の雨であればはね返りを防いでくれます。
メッシュの下がすぐ地面ということはなく、フロアが15センチほど高くなっている
⑩人とかぶらない
以下の写真をごらんください。
紅葉真っただ中の長野県の涸沢カールの写真です。
この時期は全国から登山者が押し寄せ、1年でいちばん山が混む時期。
ソロキャンプ者も非常に多く、同じテントばかりということも珍しくありません。
そんなときも、ルナーソロならほとんどかぶることがないでしょう。
一般的な山岳テントと比べて持っている人が少ないので、とってもテント場で目立ちます。
混んでいるテント場では間違えることもなくてありがたい!
色違いのグリーンもあり!ただ、2021年6月4日現在、売り切れとなってます。
⑪マイナーチェンジを繰り返していて、毎年改良されている(社長みずから実験台)
さらに特筆すべきは、こちら「ルナーソロ」ほぼ毎年マイナーチェンジが入ってます。
ブランドオーナー自らがロングトレイルを歩きまくってる方なので、お客さんの声をどんどん取り入れてるのですね。
例えば…
2019年モデルの変更点
- ベンチレーション:少し大きくなり、より通風よくなりました
- 色:黒ではなくそれぞれキャノピーと同じ色になりよい外観に。
- スタッフサック(収納袋)の紐:より細くなり、スムーズに動くよう変更
2020年モデルの変更点
- 色:グリーンは少しダークめに変更
- テンショナー部:帯ひもからロープに変更(ひもの強化)
- ベンチレーション部:開いたままにするストッパーを追加→上部に小さなプラスティックチューブ装備
どんどんよくなってて嬉しい!でもお値段はそのままだよ。
ちなみに2019→2020のマイナーチェンジに関しては重量もそのまま。
企業努力がスゴイ!
【考察】結露で荷物が濡れた場合の対策を考える必要はあり
今回、予想外の結露により
- シュラフ
- ザック
- テント内部
- 持っていた手ぬぐい3枚
を濡らしてしまいました。
とはいえ、こればかりは「マメにふき取る」ほか対策がなさそうです。
今回はテント場をベースキャンプとしていたので、時間もあったというのもあり
濡れた荷物を持ち帰るのは重たいので、乾かしました!
縦走しているとそんなに時間に余裕がないかもしれませんが、結露は極力乾かしたほうがいいですよ。
においも気になりますし、カビの心配も。
安くもないテントがカビで使い物にならなくなったら悲しいですよね?
「SIX MOON DESIGNS・Lunar Solo」はこんな人におすすめ
ここでいちどまとめましょう。
「SIX MOON DESIGNS・Lunar Solo」は…
- 軽いテントが欲しい人
- 多少の結露は仕方ない、通気性重視の人
- メインテントを別に持っている人(ルナーソロは雨天時・冬には向かない)
- みんなが持っているテントは嫌な人
どうでしょう?ルナーソロで足取り軽く山に行きたくなりません?
軽くなった分ビールかついじゃうんでしょ?
バレたか…(笑)
まとめ:「SIX MOON DESIGNS・Lunar Solo」は季節・状況を使い分ければメリットのほうが多くなる
ここで一度まとめましょう。
SIX MOON DESIGNS・Lunar Solo (シックスムーンデザインズ ・ルナーソロ)」とは
→タープのような通気性。ビビイに迫る超軽量テント(わずか710g!一般的なテントの約半分の重さ)
<4つのデメリット>
- ①結露する(速乾タオルで拭くことで解決)
- ②寒い(冬には向かない。あくまで3シーズン)
- ③雨に弱い(ひどい雨だと分かりきっている山行には向かない)
- ④トレッキングポールがないと設営できない(ない場合は純正ポール必要※重さ61g)
<11つのメリット>
- ①軽い(たった710g)
- ②小さい(40ℓリットルレベルのザックで長期縦走OK)
- ③設営がたった2分で終了
- ④広い
- ⑤涼しい
- ⑥メッシュをむき出しにして蚊帳(かや)としても使える
- ⑦メッシュポケット・物掛けがある
- ⑧前室も広い
- ⑨雨のはね返りがほとんどない
- ⑩人とかぶらない
- ⑪マイナーチェンジを繰り返していて、毎年改良されている(社長みずから実験台)
テントが結露するかしないか、は半分運だとは思うんです。
結露するかしないかは天候・湿度・気温さまざまな要因が複雑に合わさっています
でも…
山では最悪の事態をいつも考えて行動!
なので、結露対策さえしっかりすれば「Lunar Solo」での軽量化は難しくないということです。
\2020年マイナーチェンジを終えたばかり!/
「SIX MOON DESIGNS・Lunar Solo」のアマゾンレビューを見てみる
もちろん結露しないこともありますけれど、それは行ってみないとわからないので…
以下ご紹介する「防水圧縮袋」「速乾性タオル」などのアイテムでルナーソロ泊はより快適に♪
解説していきますね。
【ほぼ必須】「SIX MOON DESIGNS・Lunar Solo」とあわせて買うと良いアイテム
グラナイトギア「防水圧縮袋」
濡れたテントをザックに入れるのは抵抗がありまんか?
私もできれば避けたい派。
そんなお悩みを解決してくれるたったひとつの商品があります。
しかも圧縮までしてくれる!
ちょっとお値段はりますが、グラナイトギアの防水圧縮袋は間違いなく「買い」の商品ですね。
防水も圧縮もしてくれるパッケージは他者を探してもございません。
モンベル速乾タオル「マイクロタオル」
また、テントをふくのに手ぬぐい何枚も濡らしたら重くなる!という方にはモンベルの速乾タオル「マイクロタオル」ならたった1枚に抑えることができます。
友人がこれを使っていて、
めっちゃ水すってる!
そして絞ってすぐまた使える!
のを目の当たりにしたので、次のテント泊までに間に合うよう速攻ポチりました(笑)
それまでは、手ぬぐい3枚ぐっしょり濡らしてましたからね(苦笑)
シームレス加工用チューブorテープ
デメリットの”雨に弱い”で述べたとおり、購入後のシームレス加工(つなぎ目を隠すこと。これをするといっさい水漏れの心配がなくなり、寿命が伸びます)が必要です。
こればっかりは”シングルウォールテントの宿命”だからね
▼チューブタイプ▼
▼テープタイプ▼
Six Moon Designs (シックスムーンデザインズ) タイベック フットプリント
ルナーソロのテント下に敷く「タイベックシート」です。
一般的には「グラウンドシート」とも呼ばれていて、テントの下にある石・岩などで穴が開かないように敷くアイテムです。
寝返りを打って擦れているうちにテントに穴が空いていた…なんてことがないように、事前に保護しておきたいものですね。
このようなグッズをうまく使って軽量化して、楽しい山旅をお楽しみくださいね!
以上、「【UL軽量テント】SIX MOON DESIGNS・Lunar Solo (シックスムーンデザインズ ・ルナーソロ)のメリット・デメリット」の記事をお送りしました。
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ULザックは沼ですw
そんな中でもこちらのザックは作りがしっかりしているし、シルエットも綺麗。
とても気に入っていますよ〜( ^ω^ )